2025年3月5日

上海Spring Drift Day1

3月最初の朝、黄浦江に沿って歩きながら吐く息がまだ白いことに気づく。高層ビルのガラスがうっすら曇り、淡いミント色の空を柔らかく映し返す。観光客の少ない時間帯にしか鳴らない船の汽笛が、歩幅をゆっくりと保つためのメトロノームになった。
3月最初の朝、黄浦江に沿って歩きながら吐く息がまだ白いことに気づく。高層ビルのガラスがうっすら曇り、淡いミント色の空を柔らかく映し返す。観光客の少ない時間帯にしか鳴らない船の汽笛が、歩幅をゆっくりと保つためのメトロノームになった。
黄浦江の朝霧
外灘から裏路地へ入ると、煉瓦の壁を縫うように春の湿気が漂っていた。古い工場跡を改装したブックカフェでは、エスプレッソの香りより先に暗室で現像したばかりのようなインクの匂いが鼻をくすぐる。窓辺の席に座り、路地を横切る配達員の影をレンズ越しに追いかけた。
書店の窓際
路地に差す斜光
午後は泰康路のギャラリー巡り。雨上がりの舗道に光が跳ね返り、青いタイルがまるで水面のように揺れる。アーティストと交わした短い会話が、英語、中国語、日本語を行ったり来たりしても不思議と途切れない。甘い桂花茶を手に、夕暮れに染まっていくスカイラインを眺めながら、明日の撮影テーマをメモに書き留めた。
泰康路のギャラリー入口
雨上がりの石畳
夕暮れのスカイライン