2025年2月14日
鹿児島Steam Drift Day1
朝5時半、桜島のシルエットがまだ空に溶ける前に港へ向かった。錦江湾から立ちのぼる霧が桟橋を覆い、船のロープも手すりも柔らかな湿度に包まれている。頬に触れた風が海水と火山灰の混ざった匂いを運んできて、耳の奥がじんと温かくなった。

市電で天文館通りへ出ると、アーケードの看板が雨に濡れた路面へ滲み、早朝でも人影が絶えない。路地の角で出会った珈琲スタンドでは、深煎り豆をネルでゆっくり落としている最中で、湯気がレンズを曇らせるほど濃かった。


午後は指宿へ移動し、砂むし温泉で身体を深く埋めて砂の重さと温度を感じる。砂が胸の上で pulsing するように温もりを伝えてくれる瞬間、遠くで波が弾ける音だけが聞こえた。入浴後に飲んだ地元の塩レモンソーダが、砂風呂の名残をすっと冷ましてくれる。


夕方には枕崎線沿いの小駅に立ち寄り、夕焼けで黄金色に染まる線路を撮った。日が沈むと同時に冷気が戻り、首元に巻いたストールが再び役目を取り戻す。夜は港町の居酒屋でカツオのたたきを頬張り、旅ノートに「明日は桜島へ渡る」と書き足した。
